マーケットリサーチ

2016年度のイスラエルIT企業のExit総額が1兆円を超えた!

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イスラエル最大のデータベース会社”IVCリサーチセンター”と、イスラエルの法律事務所”Meitar Liquornik Geva Leshem Tal”の統計データによると、2016年のイスラエルのハイテク企業やスタートアップの売却総額は、約$100億ドル(1.1兆円)にも上った。
日本の2016年度の売却総額は約6兆円(IN-OUT:国内の会社が海外の会社を買収するは含まない)であり、人口が800万人の小国であることを踏まえるとこの数字が異常であることは容易に想像して頂けるのではないだろうか?

 

昨年の売却総額から12%の上昇になったが、この大きな要因としてオンラインカジノなどの開発を行うソーシャルゲーム会社Playticaが中国の大手ゲーム会社Shanghai Giant Network Technologyに$44億ドル(約5000億円)で売却されたことが大きい。そしてこの買収は過去のイスラエルの買収の中でも超大型の案件となった。

exits-2012-2016

画像:2012年〜2016年のイスラエル売却額とその内訳の遷移

1兆円の内訳として104社の売却案件があり、93社のM&Aで8800億円(Playticaを含む)、8社の事業売却が12億円、小型のIPOが1500億円だった。
ちなみに日本の2016年度の売却案件数は約2000件である。

既存事業を売って新規事業を買う?

Playticaの次に大きかった案件はアダプタ、スイッチ、ソフトウェア、ケーブル、シリコンといった高速インターコネクト製品を提供するMellanox社によるネットワークインフラ機器やデータセンター向けに特化した超高速ネットワークプロセッサー専業のファブレス半導体メーカーのEZchipの買収で、買収額は約811億円だった。半導体領域においてシスコのLeabaの買収と、SonyによるAltairに次ぐ、2016年の大型買収案件だ。
また興味深いデータとしてイスラエルのハイテク企業の27%のM&Aが買収側、かつ売却側であるという事実である。これが意味するのは事業の流動性の高さであり、市場の中で自社の競合優位性が保てなくなった事業の損切りは早く、逆にその益で買収をし既存事業を強める動きが強いということである。とにかく決断が早いのである。最近日本ではその決断の遅さから東芝のように最終的に会社全体を破壊する要因に繋がってしまっている。潔く撤退を決断することが出来、常に企業として攻め続ける姿勢は見習うべきかもしれない。

”イスラエルのハイテク産業が停滞”している?

しかしこれらの輝かしい功績が起業大国として全てバラ色であるとは言えない。44億ドルのPlayticaの案件を除いて、著名な経済評論家から言わせばイスラエルハイテク産業は停滞しているという。IVCのイベントでCEOのKoby Simana氏は「買収案件は減っており、ほとんどIPOが出来ない状況にある」とコメントした。
Meitar Liquornik Geva Leshem TalのパートナーであるAttorney Alon Sahar氏も「昨今の買収総額や案件数と比較すれば今年の数字は停滞しているという他ない」とコメントしている。実際2016年の大型案件を除いた平均売却額は約46億円で、前年より31%低い数字となった。
一方でSimana氏は同時に「昔のように起業家も投資家も売却を急いでいないのかもしれない。代わりに長く待って会社の成長を優先している。」とコメントした。

この意見には個人的に同感する。ニュースとして「イスラエルで大型の買収があった!」というのはネタになり、世間的に注目されるかもしれない。しかし実際にイスラエルスタートアップで働いていて感じたのは、そして今自分自身が会社をやっていて思うのは、起業をした目的は買収やIPOが全ての目的ではなく会社をやっていること自体が人生の一部であるので、あまり世間に急かされるのは心地よくない。それこそ早く歳を取れと言われているようなものである。実際にDMMの亀山さんとお話させて頂いた時もある意味「マイペースな方だな」と感じた。そして短期利益しか見れない投資家がいないからこそ、アフリカに進出するなど長期的な価値のあることに投資できているのではないかと感じた。

最後に

いかがだっただろうか?技術大国と呼ばれるイスラエルのデータをまとめると、

 

 

 

 

 

 

記事の中で「イスラエルのハイテク産業は停滞している」というコメントがあったが、日本と比較すればそれは謙遜し過ぎているのではないかと思う。日本の平均売却額は29億円であり、これだけ日本が技術で優れていると言われてがら統計上はイスラエルの技術の方が高いのである。
そしてもしかしたらポジショントークになるかもしれないが、やはりイスラエルの技術は肌感覚的に日本よりも優れている。そもそもUSやUKのマーケットに向けて作っているので競争力は高く、まして現地のコネクションの少ないイスラエルスタートアップは技術を磨くしかない。一方で日本は国内市場が十分にあり、外資企業が入って来づらい市場なので必然的に競争力は落ち、結果として技術力の低下につながる。
是非日本企業も中国のように国外投資のポートフォリオの一つとして、イスラエルという選択を検討して欲しい。

 

記事参考:http://nocamels.com/2017/01/israeli-startup-exits-10-billion-2016/

 

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