マーケットリサーチ

メルカリやDMMも参入するシェアサイクル!イスラエルは?

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日本でも流行ってきたシェアサイクル事業

先月に入ってCtoCサービスを展開するメルカリの子会社のソウゾウやWebサービス大手のDMM.comが2018年初頭に向けてシェアサイクル事業を開始する予定というニュースが話題になったのも記憶に新しいのではないだろうか?
それ以前でも、中国発で1億人以上の会員数を保有するMobikeやソフトバンクC&Sと提携した中国発のofo、NTTドコモの「ドコモ・バイクシェア」など大手事業会社がこぞってシェアサイクル市場に参入している。
今回はそんなホットなシェアサイクルがIT大国イスラエルではどうなっているのか?をお伝えしたいと思う。
 

なぜ今更チャリなのか?

そもそもなぜ今になって「自転車のシェア事業が流行っているのか」疑問に思われた読者の方は少なくないのではないだろうか?私も率直に「なんで今さらチャリンコなん?」と思っていた。
これはあくまでも私の見解であるが、
  1. 利用頻度が高い
  2. オフラインの行動トラッキングが出来る
  3. 交通機関の分散
という理由があるのではないかと考える。

1.利用頻度が高い

宿泊のCtoC(AirBnB)やタクシーのCtoC(Uber)、車のCtoC(Anyca)など様々なシェアリングエコノミーが広がる今、ほとんどのものを所有する必要性はなくなってきている。これまでは単純な”単価✕量”のモデルで大量生産・販売こそが正義であったが、CtoCでは”流通総額✕テイクレート”のビジネスモデルが一般的である。その流通額は”単価✕ユーザー数✕使用頻度”で構成され、その内使用頻度はCtoCサービスにとって需要なKPIである。数ヶ月に一回の旅行の際に利用されるAirbnbや、少し飲みすぎたたまの金曜に使われるUber、都内の年間稼働率が1%と呼ばれる車のCtoCなどと比べると、自転車の使用頻度が高いことは容易に想像できる。

2.オフラインの行動トラッキングができる

「新宿公園 ポケモン go」の画像検索結果
PokemonGoが手にしたのはポケモンを捕まえるために、スマホを片手に女子高生からサラリーマンまで新宿中央公園に集まるというコミュニティではない。人が歩くことでしかタマゴが孵化しないという仕様により、人はPokemonGoを常に開きながら歩く習慣を持つようになり、日々の行動のデータを得たのである。つまり人々がいつどこにいて、どんな消費行動をしているのかが分かり、そこからどこに人は集まり、消費するのかを予測できるようになった。
そして自転車には同じように人々の行動データを取得することが出来、それを元にしたジオグラフィック・マーケティングを可能にする。これは特にメルカリのようなオンライン上での購買データを保有する事業者にとって喉から手が出るほど欲しいデータではないだろうかと考える。

3. 交通機関の分散

これは会社としての目線というより、社会的意義の側面ではあるが、人口が集中した東京で日々満員電車に押しつぶされる人が減るのではないかと思う。更に近年の健康志向が拍車に乗り、自転車で通勤する人が増えれば、交通機関の分散化に繋がると考える。というよりも個人的に満員電車は乗りたくも見たくもないので、それを期待してる。

イスラエルでは既に6年前から国を挙げてやっている

イスラエルではTel-O-Funと呼ばれる2011年4月に開始した2000台以上の自転車を200所のスポットで利用できるレンタルサイクルサービスがある。主に観光客や地元の人の通勤などに使われており、実際に私も在住中に使ったが非常に便利だった。プランは以下の通りになっており、年間契約で1万円は非常に安いと思う。
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画像出典:wikipedia
30分までの利用までは無料で、30分以降は従量課金制になるシステムではあるが、イスラエルの国土面積は狭く、テルアビブ市内であればほとんど30分以内で移動できるので、ほとんど追加料金は掛からない。
そして「やっぱりイスラエルはハイテクな国だな」と感じるのが利用方法で、年間契約をすれば写真のようなチップを貰い、利用時にピッとするだけで鍵が開く。
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イスラエル最大の交通機関アプリMoovitから検索できる

The Moovit app makes public transportation a better option. Photo: courtesy

画像出典:https://www.israel21c.org/israeli-app-to-revolutionize-bike-sharing-schemes-worldwide/

2016年11月にイスラエルで最も使われる交通機関アプリMoovitが近くのシェアサイクルが使えるかどうかを検索できる機能を追加したというリリースがあった。これにより、日常的にバスを利用するテルアビブでは「ちょっと人が混んでるな、近くに自転車があるからそれで行こう」と交通機関の人口集中を分散することに成功している。ユーザーにとってもいざスポットに行っても自転車が無かったら不便だし、そもそも新しい土地でどこにスポットがあるか分からないので、これは非常にUXが上がりアプリへのロイヤリティーが上がる施策となったに違いない。

今後の日本でのシェアサイクル競争の決め手は?

特に都心部において人口集中が激しい日本で、シェアバイクの利用が広まるのは明らかだ。ただその中でまだ日本では圧倒的なNo.1は生まれていない。
中国であれば法律的にも国土面積的にも勝手に乗って、勝手に乗り捨てるCtoCモデルが流行ったのは頷ける。しかし国土面積が大きくない上に、街の秩序を保ちたい風土が強い日本では同じようにはいかない。なのでサービス提供形態として
  • CtoCモデル
  • CtoBtoCモデル
  • BtoCモデル
なのかはサービスの大きな分かれ目になりそうである。
そしてそれぞれのプレイヤーのアセットや強みが異なるため、Mobikeのような地理的水平展開型で攻め入るのか、NTTやSoftbankと提携したofoのようなオフラインネットワークを握って行くのか、メルカリやDMMのようなWeb・アプリに強い事業会社がユーザーの面を取っていくのか、全く攻め方が異なる勢力同士の闘いは非常に見ものである。
ただ個人的にイスラエルの成功事例から見ると、日常的に使われているアプリの拡張機能として利用されるのが最もシームレスなユーザー獲得ができるという意味では、メルカリに軍配が上がるのではないかと予測している。
 
皆さんはどうお考えだろうか?
 
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